京成バス株式会社(代表取締役社長:齋藤 隆、以下「京成バス」)、損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)、アイサンテクノロジー株式会社(代表取締役社長:加藤 淳、以下「アイサンテクノロジー」)、株式会社建設技術研究所(代表取締役社長:中村 哲己、以下「建設技術研究所」)、埼玉工業大学(学長:内山 俊一)、株式会社東海理化(代表取締役社長:二之夕 裕美)の6社(以下、実施事業者)は、千葉市(市長:神谷 俊一)より公募された、千葉市未来技術等社会実装促進事業の自動運転車社会実装サポート事業(以下、本事業)に採択されました。提案した事業計画に基づき、2023年1月21日、22日に幕張新都心地域において自動運転車の実証実験を行いました。
1.背景と経緯
千葉市では、2016年1月に「幕張新都心を中核とした『近未来技術実証・多文化都市』の構築」を掲げ、国家戦略特区の指定を受け、先端技術を活用したドローンや自動運転等の技術実証や新たなビジネスモデルの創出に向けた取組が進められてきました。その一環として、高齢者や障がい者、さらに外国人を含めた多様な方がその時々の交通事情等に応じたモビリティを選択し、すべての人々がストレスなく付加価値のある快適な移動を実現するため、幕張新都心内の駅、住居地区、商業施設、公園(海辺)等の拠点間を結ぶ地域限定、路線限定ルートでの自動運転車の導入を見据え、社会実装を想定した実証実験の実施事業者が公募されました。
実施事業者は、千葉市の公募趣旨・目的に賛同し、連名で事業計画を策定し、千葉市に対して提案を行い採択されました。提案では、幕張新都心地域での自動運転の技術的課題とその解決方法を検証するとともに、2023年3月のJR京葉線幕張豊砂駅開業を見据え、地域住民の生活に必要な旅客輸送の確保、都市の回遊性向上や街全体の賑わい創出に向けた、自動運転技術による移動サービス実装の可能性を検証することを目指しています。
2.本事業における実証実験の概要
実施事業者は自動運転移動サービスの社会実装に向け、「技術検証項目」と「サービス検証項目」の検証を行いました。実証概要は以下の通り。
<実証概要>
実施期間
2023年1月21日(土)、22日(日)
使用車両
日野レインボーⅡベース中型自動運転バス
(自動運転システムAutoware、LiDAR、GNSアンテナ等搭載)
実証時定員:最大14名
検証項目
●技術検証項目
①車両・自動運転技術の検証(LiDARによる自社位置推定技術、遠隔監視など)
②道路環境・交通環境への適用検証
●サービス検証項目
①自動運転バスの社会受容性の検証
②自動運転バスサービスの事業性の検証
走行ルート
イオンモール幕張新都心店~ZOZOマリンスタジアム
~幕張ベイタウン・幕張ベイパーク~イオンモール幕張新都心
©OpenStreetMap contributors(https://www.openstreetmap.org/copyright/ja)
※オープンソースの自動運転ソフトウェア(Autowareは、The Autoware Foundation の登録商標です。)
本実証において、自動運転車にご試乗いただくモニターの方を公募にて募集いたしました。
3.本事業に参画する各社の役割分担
事業者の名称 | 役割 |
京成バス | 自動運転ドライバー手配、実証全体総括 |
損保ジャパン | 自動運転リスクアセスメント、実証全体統括補佐 |
アイサンテクノロジー | 自動運転車両手配、自動運転用3次元地図作成 自動運転走行の遂行、技術評価結果まとめ |
建設技術研究所 | アンケート調査計画及び調査の実施 調査結果の集計・ニーズや社会的受容性の分析 報告書全体まとめ |
埼玉工業大学 | 自動運転車両提供、チューニング支援、 ドライバートレーニング対応 |
東海理化 | 車体周辺の遠隔カメラ映像伝送機能の提供・評価 |
本自動運転バスは、既存車両(日野レインボーII)に、自動運転システムを後付けして自動運転レベル2を実現した車両です。
「まず1年前と違って自動運転の精度が格段にアップしているし、自動化率も上がっている。ことし3月に開業する幕張豊砂駅と組み合わせ、幕張新都心エリアの回遊性を高める取り組みが、また一歩前進した」と、
2023年1月21日に試乗された千葉市神谷俊一市長よりお言葉を頂きました。
前回より機材も自動運転プログラム・アルゴリズムを更新し走行しました。前方にはさらに2台のカメラを増設し、道路信号認識の際は信号をズームインし、信号に近づくと交差点全体を見渡せるようズームアウトするなどの細やかな動きもアップデートしました。
今回の幕張新都心エリアでの自動運転車社会実装サポート事業は、京葉線の海浜幕張駅をはじめ、ことし3月に開業する幕張豊砂駅、幕張新都心オフィスエリア、イオンモール幕張新都心、幕張海浜公園などをつなぐ自動運転バスを社会実装すべく各実験を展開しました。15か所以上ある交差点と、4つのバス停車場(乗客乗降あり)を自動で走る実験を重ね、各種データを収集しました。
東海理化の状況監視カメラが左右前後に増え、合計10台が搭載されている点が今回のポイントで、この10台のカメラにより車両の360度を直感的にビューできるほか、監視側のPCで任意方向の視界もチェックが可能となりました。また、こうしたアラウンドビューで、複数台カメラがとらえた映像の重複部分がキャンセルでき、従来の10分の1のデータ量を実現しています。
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埼玉工業大学 自動運転AIバス 2023年1月 幕張新都心 実証実験