2025年11月下旬から12月にかけて、静岡県富士市で自動運転バスの運行が行われました。
本運行は、内閣府が推進する「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」に採択された取り組みであり、公共交通分野におけるドライバー不足や高齢化といった社会課題を背景に、将来にわたる地域公共交通の維持・確保を目的として実施されたものです。
アイサンテクノロジーは技術パートナー・委託先の一員として、地図データの提供をはじめとした自動運転技術・安全運行に関する知見を提供し、本事業の実施を支援しました。
特に富士市では、新富士駅(新幹線)と富士駅(在来線)間のアクセス向上・連携強化を念頭に、自動運転技術の社会実装可能性を検証する重要な機会となりました。
【運行の概要】
本事業では、自動運転レベル2による自動運転バスの運行が行われました。
運行期間:2025年11月22日(土)~12月12日(金)※日曜運休
運行区間:新富士駅 富士山口 ~ 富士駅 北口(片道約2km)
運行内容:定時運行による走行検証、安全性・安定性の確認に加え、市民や関係者が実際に乗車できる形での運行を実施しました。

出典:富士市サイト(https://www.city.fuji.shizuoka.jp/1040050000/p000978.html)より引用

運行初日には、新富士駅富士山口駅前広場にて出発式が行われ、その後、報道機関向けの試乗会も実施されました。

今回、静岡県富士市で行われている自動運転バスの運行に際し、実際に試乗された方や関係者の声を聞く機会がありました。現地では、走行の様子だけでなく、市民に向けた情報発信の工夫も随所に見られ、「自動運転をどう伝え、どう受け止めてもらうか」という点が強く意識されていることを感じました。
乗車体験した富士警察署堀田利治地域交通官からは 「35kmしか出ないということで若干車の滞留を危惧していたが、思ったよりスムーズに走っていた」 とのお話をいただきました。
また、富士市都市計画課 公共交通推進担当 町田陽平氏は 「新富士駅と富士駅が鉄道でつながっていないのが、長年の課題になっておりますので、両駅の接続強化を狙って運行しています」と述べられました。
試乗された方の中には、「全体としては安定して走っていましたが、ブレーキがかかる場面では、少し気になる動きがあった」と話す方もいらっしゃいました。
実証期間中、富士市役所2階の市民ホールでは、自動運転に関する展示パネルが設置されていました。
パネルでは、「なぜ自動運転バスが必要なのか」、「自動運転技術は今どこまで来ているのか」、「今回の実証では何を検証しているのか」がわかり易く説明されていました。
「自動運転」と聞くと、少し難しそう、なんとなくハードルが高そう、そんな印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。でも、実際に展示パネルを見てみると、「なるほど、そういうことなんだ」と、自然と理解できる工夫が随所に感じられました。
自動運転に対しては、「本当に安全なのかな」と感じる声があるのも事実です。だからこそ、仕組みや考え方を目に見える形で伝えるこうした取り組みは、市民の方々に安心してもらうための、大切な一歩なのだと感じました。
今回の富士市での運行は、単に技術を試すだけでなく、市民が実際に乗れる、見て理解できる、安全への配慮が伝わるという点で、とても「開かれた事業」であったと感じました。
【社会受容性醸成の取り組み】
また、将来の利用者となる若い世代への理解促進を目的として、12月8日には市内小学生を対象とした試乗の機会が設けられました。
各便は「生徒12名、引率教員1名、スタッフ1名、自動運転レベル2の運転士1名」を基本編成として実施し、当日は100名以上の4年生が試乗しました。
また、小学校向けの自動運転社会受容性醸成施策として、車内に展示する『ぬりえ』を作成しました。児童が制作した作品を車内に掲示することで、自動運転を身近に感じてもらうとともに、ご家族を含めた地域全体への認知・理解促進を図りました。

窓上の額面ポスター位置には、子どもたちが自由な発想で彩ってくれた『ぬりえ』を展示。一枚一枚のバスのイラストが個性豊かで、車内全体がやさしく明るい雰囲気に包まれているのがとても印象的でした。自動運転を「楽しい・身近な存在」として感じてもらう、小学校向け社会受容性醸成施策の一環です。
試乗当日は、バスが自動で走行する様子に児童たちは強い関心を示しており、『どうやって走っているのか』 『いつ実際に使えるようになるのか』 『車両はいくらくらいするのか』など、活発な質問が多く寄せられました。
若い世代のうちから自動運転技術に触れることで、自動運転を「将来の技術」ではなく「身近な公共交通」として捉えてもらう、意義のある取り組みとなりました。



また、車いす利用者の方の乗車検証を行い、固定装置の使い勝手やスペースの安全性を確認しました。自動運転バスがすべての人にとって「使いやすい移動手段」となるよう、ユニバーサルデザインの観点からも丁寧な対応を進めました。

アイサンテクノロジーは、今後も自治体やパートナー企業の皆様と連携しながら、自動運転技術を活用した持続可能な地域交通の実現に貢献してまいります。
【関連情報】
今回(令和7年9月11日決定分)の採択事業一覧(PDF)
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/shinchihoukouhukin/dai2sedai/pdf/r7-2-dai2sedai.pdf
2025年11月4日 富士市
自動運転バスの実証運行について
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/1040050000/p000978.html
2025年11月17日 号外NET 富士市・富士宮市
【富士市】11月21日より「自動運転バス」が運行します。乗車予約受付中!
https://fuji-fujinomiya.goguynet.jp/2025/11/17/bus-2/
【関連製品情報】
自動運転車両・システム構築
https://aisan-mobility.com/lineup/autonomous-vehicle-construction/
自動走行実証/実用化ソリューション
https://aisan-mobility.com/lineup/implementation/