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活動報告

【愛知県岡崎市】名鉄バス株式会社とともに、大型自動運転バスの公道走行を実施しました

令和7(2025)年度、岡崎市と名鉄バス株式会社が連携し、東海地方の市街地では初めて「大型自動運転バス」を公道で運行する取り組みを行いました。使用車両は、いすゞ自動車株式会社が開発した自動運転大型バス「エルガ」で、幹線道路において、既存バス路線と同一経路・同一停留所での運行を行いました。

運行概要
期間:2025年11月30日(日)〜12月20日(土)
※ 火曜日を除く毎日運行
1日10便
距離:片道約3.5km(名鉄東岡崎駅〜JR岡崎駅)

運行経路
県道483号線(通称:電車通り)の市街地幹線道路において、名鉄東岡崎駅(南口)〜JR岡崎駅(東口) の区間を運行しました。

実施体制
自治体・交通事業者・技術事業者が連携し、それぞれの役割を担いながら、安全性や可能性を丁寧に検証しました。
岡崎市:実施主体/地域連携/広報
名鉄バス株式会社:事業総括/保安ドライバー派遣/運行管理
名鉄グループバスホールディングス株式会社:運行業務支援/体制整備
A-Drive株式会社:全体統括支援/社会受容性調査/ビジネスモデル検討
アイサンテクノロジー株式会社:高精度三次元地図データ作成/現地実証支援/技術協力
いすゞ自動車株式会社:車両提供
株式会社ティアフォー:技術支援、自動運転システム提供、車両調律
SOMPOリスクマネジメント株式会社:リスクアセスメント調査
NTTドコモビジネス株式会社:通信環境構築、通信環境調査

運行車両
使用車両:いすゞ自動車株式会社製大型バス「エルガ」
自動運転レベル2(運転席有人)
※アクセル・ブレーキ・ハンドル操作が自動化。
最高速度:40km/h
高精度三次元地図・LiDAR・カメラ等による周辺認識技術を搭載
走行データを取得し、将来のレベル4運行に活用

 


当社社員が現地で取材をした内容をお伝えします。
 
【出発式の様子】
2025年11月25日、名鉄東岡崎駅で行われた出発式には、岡崎市長をはじめ、運行や技術に携わる関係者の皆さんが出席しました。

式典の中で、内田 康宏 岡崎市長は、「将来、自動運転バスが広く普及することで、運転士不足の解消につながり、公共交通の維持・確保に寄与することを期待している」と述べ、地域の移動を支える新たな選択肢として、自動運転への期待を語りました。

また、運行を担う名鉄バス株式会社の瀧 修一 代表取締役社長は、「運転士不足に直面するバス業界にとって、関係機関が連携して進める自動運転の取り組みは心強いものです」と話し、実用化に向けた前向きな姿勢を示しました。

さらに、技術面を担うA-Drive株式会社の岡部 定勝 代表取締役社長からは、「安心・安全を大切にしながら、地域の皆さまに長く親しまれる交通ネットワークを築いていきたい」という言葉がありました。

それぞれの発言からは、自動運転を単なる新しい技術としてではなく、地域の暮らしを支える交通インフラとして、丁寧に育てていこうとする共通の想いが感じられました。
出発式の会場には、そうした前向きな期待感が、広がっていました。

 

【一般試乗の様子】
取材をした2025年12月5日は一般の方々を対象とした試乗が行われていました。車内には運行に関わる関係者のほか、多くの市民の皆さまが乗車され、注目を集めていました。

JR岡崎駅で待機中の自動運転バス

 

名鉄東岡崎駅南口の乗り場に停車をする自動運転バス

車体は、一見、いつもの路線バスと変わらないように見えますが、カメラやセンサーが搭載されており、アクセルやブレーキ、ハンドル操作が自動化されていました。
いざ出発すると、驚くほど静かでスムーズ。停止時の揺れも少なく、「これが自動運転?」と疑ってしまうほど自然な走行でした。

自動運転バス車内の様子。

前方に設置された大型モニターには、現在の走行状況やセンサーによる周辺認識の情報が表示されています。映像には、障害物の検知や信号認識、車両前方のカメラ映像、さらにはアクセル・ブレーキ・ハンドルの操作状況までがリアルタイムで映し出され、運転席のドライバーによる“レベル2”の走行がどのように制御されているのかが一目で分かる設計です。自動化された部分と人の操作がどう連携しているのかが視覚的に確認でき、乗客にとっても安心感のあるシステムとなっています。

【技術的な意義】
今回の取り組みは、「本当に自動運転バスがまちで走れるのか?」という問いに向き合う、重要なステップでした。市街地は、車も人も自転車も多い環境。そんな中を大型バスが安全に、そしてスムーズに走れるのか、走行データや運転の安定性などを細かく検証しました。
将来的には、運転手が乗らない「レベル4」の完全自動運転を目指しており、その実現に向けた準備の一環でもあります。

将来的なレベル4自動運転の実現を見据え、本実証では、運行に関する車内オペレーションについても検証を行いました。具体的には、地図データに基づく走行経路の配信や、遠隔からの音声放送の鳴動、さらに遠隔監視による車両状況の把握を実施しています。

運行中は、車両前方・後方・車内および側方の映像を活用し、遠隔監視室にて常時モニタリングを行うことで、安全性の確保と異常時の迅速な対応体制を構築しました。これらの取り組みは、将来の無人運行に向けた重要なステップであり、実用化を見据えた運行管理・監視手法の有効性を確認するものでした。

 


走行中の自動運転バス

 

今回の試乗では、実際に乗車した方から
「揺れが少なくてびっくりした!」
「もっと乗っていたかった」
といった声も聞かれました。
自動運転は、もはや遠い未来の話ではなく、こうした一歩一歩の積み重ねを通じて、
私たちの暮らしの中に、少しずつ近づいてきています。

岡崎のまちで、地域の皆さんとともに、未来の移動手段が静かに動き始めている様に感じました。


【関連製品情報】
自動運転車両・システム構築
https://aisan-mobility.com/lineup/autonomous-vehicle-construction/

自動走行実証/実用化ソリューション
https://aisan-mobility.com/lineup/implementation/

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