三郷町では奈良県と共同の元、地域の移動に関する課題解決に向けた新しい移動支援サービスの導入を検討するため、JR三郷駅からFSS35(エフエスエスサンゴウ)*キャンパスの区間で自動運転バスの実験走行を2023年度に引き続き、2024年度も実施されました。
*奈良県生駒郡三郷町の旧奈良学園大学のキャンパス跡地を利用した施設
【運行概要】
運行期間:2025年1月9日(木)午後~2025年1月15日(水)
※1月12日(日)、1月13日(月・祝)を除く
運行ルート:JR三郷駅ー立野南二丁目ーFSS35キャンパスー立野南二丁目ーJR三郷駅
※3箇所の乗り場で自由に乗降が可能
乗車運賃:無料
乗車定員:13名
運行本数:1便/1時間
乗車方法:事前予約優先
2025年1月9日、運行初日の様子をレポート!
この日のJR三郷駅付近の天候は、晴れ間がありつつも、雨が降ったり、雪が舞う時間帯もあり、天気が時々刻々と変わる中での走行となりました。
実証実験スタート前には、みぞれが降っていました。
JR三郷駅からFSS35キャンパスまでは、徒歩約15分(北へ約1,300m)の場所にあります。走行ルートの高低差は約75m(平均勾配5%以上)となる坂道が続いているため、利用者の移動手段の確保が課題となっています。
写真の道路奥が、FSS35キャンパスへ向かう側となります。(高低差:33m、平均勾配7.3%へと突入するあたり)
今回、2023年度の実証実験で課題となった運行時間について、FSS35キャンパス内で学ばれている日本語学校に通う学生さん達の通学に併せた時間へと見直しがなされました。
受付付近に設置された石油ストーブ達。寒い中、この暖かさに大変助けられました。
木谷慎一郎 三郷町長も公務の合間を縫って、試乗されました。
バス乗車の際、当社現地係員より、座席から見えるモニターについて説明をさせて頂きました。
自動運転車両には、障害物を検知するためのセンサー8台のほか、バスの状況を撮影するカメラが室内外に合わせて13台設置されています。
座席から見えるモニターには、走行している道路の様子が高精度三次元地図で映し出され、センサーが検知した人や車などの障害物を赤色や青色の箱型で表示しています。
FSS35駅出発付近の様子
全国各地で実証実験が行われていますが、坂道における「ブレーキ制御」が三郷町ならではの技術課題として実施されました。
自動運転は、人が運転するようなゆっくりと減速する感覚的に「優しい」運転ではなく、一つ一つの制御におけるオンオフのメリハリがはっきりとしています。坂道でのブレーキ制御時における乗り心地について、速度を少し落として滑らかさを重視するという調律を行いました。
立野南二丁目のバス停停車の様子(往路)
立野南二丁目のバス停停車の様子(復路)
三郷駅西交差点付近(復路)
その結果、「昨年も自動運転車両に乗ったが、乗り心地が格段に良かった」「前回と比べて今回はスムーズだった」というお声を複数頂戴しました。
JR三郷駅~三郷駅西交差点付近(往路)
また、本番期間中はロータリーから出る際に、路車協調を用いて、出入口付近における人や車両についての確認を行い、安全に配慮し実施されました。
今後も検証を重ね、地域の課題解決に寄与してまいります。
【メディア情報】
2025年1月12日 朝日新聞デジタル
奈良県三郷町で自動運転バスの実証実験スタート 移動支援などで県と町
https://www.asahi.com/articles/AST1C41JWT1CPOMB012M.html
2025年1月11日 奈良新聞(デジタル)
奈良県三郷町で自動運転バス実験走行 障害物など検知8台のセンサーなどで速度の管理やブレーキ
https://www.nara-np.co.jp/news/20250111204152.html
2025年1月10日 奈良テレビ放送
移動手段の確保目指して 三郷町で自動運転バス 実験走行/奈良