桑名市、三重交通株式会社、長島観光開発株式会社、アイサンテクノロジー株式会社、三菱電機株式会社、株式会社ティアフォー、 損害保険ジャパン株式会社は、オンデマンド運行管制システムを活用した自動運転サービス実証実験を実施しました。
桑名市では、少子高齢化に伴う社会構造の変化や、コロナ禍における新しい生活スタイルへの対応により、公共交通へのニーズは今後ますます高くなると考えられています。一方で、バス業界では、運転手の高齢化や担い手不足が深刻化しており、将来に向けた持続可能な公共交通ネットワークの維持確保に関する検討が必要になっています。
こうした社会課題に対し、移動の確保と効率化・地域活性化・交通事故削減・人材不足解消などに貢献し、同時に移動の利便性を向上させる仕組みとして、自動運転技術に大きな期待が寄せられております。
この度、自動運転技術に新たなサービスを付加した運行により、技術の面だけではなく、事業性を含めた検討を目的とした実証実験を行いました。
【実証の目的】
・ドライバーレスを可能とするLevel4自動運転に向けた技術要素の検討
・地域の関係機関と連携した、持続可能な事業モデルの構築
・来訪者の利用を想定した受容性の検証
【実証概要】
1. 実施日程
2023年3月14日(火)、15日(水)
10:00~12:00、13:30~16:30
2. 実施場所および走行ルート
ナガシマスパーランド駐車場内
1周の距離:約600m
1周の所用時間:約8分
固定型配車端末:2台
走行エリア(※)
走行ルート図
(※)「ナガシマスパーランド」サイトより画像抜粋
https://www.nagashima-onsen.co.jp/spaland/access/index.html
3. 使用車両
周囲の物体検出、自車位置の推定、走行経路の策定、運転判断といった自動運転に必要となる機能を備えた2台の車両を使用
Milee(マイリー)
■全長:3,343mm
■全幅:1,590mm
■全高:1,944mm
■重量:約800kg
■定員:4名(試乗定員:2名)
■ナンバー未取得
ゴルフカート
■全長:3,120mm
■全幅:1,330mm
■全高:2,240mm
■重量:約710kg
■定員:4名(試乗定員:2名)
■ナンバー取得済み(公道での自動走行に対応)
4. 実証実験の特徴
運行状況の正確な把握や効率的な車両運行の実現を目指し、三菱電機株式会社が担当(製作)するオンデマンド運行管制システムにて車両の配車・運行管理を実施しました。また、どなたでも利用しやすい固定型の配車端末を設置し、利用者の申込状況に応じてオンデマンド運行管制システムから自動運転車両へ自動で配車の指示をしました。
さらに、社会実装を見据え、三重交通株式会社にて、オンデマンド運行管制システムを利用し、遠隔から運行状況を監視することで、安全運行に寄与いたしました。
5. 事業実施体制
企業名等 | 主な役割 |
桑名市 | 事業主体、全体運営、社会受容性調査、事業化検討 |
桑名市次世代モビリティ社会実装研究会 | 計画協議、事業検討 |
三重県 | 事業化検討支援 |
アイサンテクノロジー株式会社 | 実証実験取り纏め、3Dマップの作製、走行調律作業の実施 |
三菱電機株式会社 | オンデマンド運行管制システムおよび固定型配車端末の提供、システム管理 |
株式会社ティアフォー | 自動運転OS「Autoware」※の運用支援 |
損害保険ジャパン株式会社 | 自動運転リスクアセスメント、自動運転専用保険の提供 |
三重交通株式会社 | 運行管理、運行管制者、事業化検討 |
※Autowareは、The Autoware Foundationの登録商標です。
協力会社
企業名 | 主な役割 |
長島観光開発株式会社 | フィールド提供、事業検討 |
晴天に恵まれた中での実証実験となりました。
開会式の様子です。
係員の説明を受けながら、タッチパネルで車両を予約する伊藤 徳宇桑名市長
車両後部座席の左から、伊藤徳宇市長、長島観光開発株式会社の舟橋純社長が試乗いたしました。
伊藤市長は「タッチパネルでの乗車予約も簡単で、乗り心地もスムーズ。
アトラクションみたいな感じで、新しい自動運転の面白さを感じる」と感想を述べられました。
舟橋純社長は「安全性が確保されれば、早い時期に導入をしてサービスの向上を図りたい」と述べられていました。
運行管制室の様子です。常時運行を監視いたしました。
【関連情報】
2023年3月10日 自動運転LAB.
「ゴルフカートが自動運転車に!?三重県桑名市で実証」