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活動報告

北九州空港〜JR朽網駅間にて、自動運転バスの実証実験に参加いたしました

2024年12月、アイサンテクノロジー株式会社は、北九州市内外の企業・大学・行政で構成される「北九州自動運転推進ネットワーク」の一員として、北九州空港〜JR朽網駅間を走る自動運転バスの実証実験に参画いたしました。

本実証は、西鉄グループが中心となり、大手バスメーカーであるいすゞ自動車とタッグを組んで実施されました。当社は、地図情報や位置推定技術など、自動運転の根幹を支える分野において、技術的な面から協力いたしました。

この取り組みは、自動運転を活用した新しいビジネスの創出や、地域に根ざした社会実装を目的として行われており、当社としても、社会課題の解決につながる技術支援の一環として、関係各所と連携しながら携わらせていただきました。

【実証概要】
地域住民や空港をご利用の皆さまにもご試乗いただけるよう、事前予約制で一般にも公開されました。
(1) 運行日時 2024年11月28日~2024年12月18日(15日間)
一般試乗 2024年12月12日(木)~12月18日(水)(うち平日5日間)
(2)北九州空港〜JR朽網駅間の片道約10.5kmの路線バス区間
(3)本数 1日5往復
(4)料金  無料

【車両について】

大型バス「いすゞエルガ」
本実証に用いられたのは、自動運転の中でも「レベル2」に相当するシステムです。これは、アクセルやブレーキ、ハンドル操作の一部を自動で行いつつ、運転士が常時運転席で安全を確認し、必要に応じて操作に介入する方式で実施しました。

【体制図】
北九州市 (代表団体)
公益財団法人北九州産業学術推進機構
A-Drive 株式会社
西日本鉄道株式会社
アイサンテクノロジー株式会社
いすゞ自動車株式会社
株式会社ティアフォー
西鉄バス北九州株式会社
損害保険ジャパン株式会社
SOMPO リスクマネジメント株式会社
日本信号株式会社
一般財団法人日本自動車研究所


昨年度も同区間で実証が行われましたが、今年度は以下のような、より高度な技術課題にチャレンジいたしました。

・レーンチェンジ(車線変更)
・信号との協調制御
・バス停での自動停車

今回の実証では、バス停への正着が計画時から想定されていた技術課題のひとつでした。

今回使用した車両は、通常運行しているバスよりも大型であったため、バスベイ(停留所の停車スペース)が狭く、手動運転でさえ、車体を寄せて停車するのが難しい状況でした。
そのため、自動運転での正着制御は、現場でも試行錯誤が続きました。

「ご年配の方や車椅子のお客様のご利用を想定するならば、もう一段の幅寄せ精度が必要」とのご指摘もあり、サービス面での改善が今後の課題として明確になりました。

一方で、現地では大きな成果も確認されました。
西日が差す時間帯や夜間の走行でも、カメラによる信号認識は極めて安定しており、誤認識等の問題が発生することはありませんでした。この点については、現地スタッフからも高く評価されました。

また、新北九州空港連絡橋では、時速50kmでの走行を実施!
終始スムーズで安定した運転を実現できました。

夜間の走行についても検証をいたしました。

現地において、とても綺麗な夕暮れにも出会いました。

数多くの自治体からの視察もあり、県内外の注目度が高い実証実験となりました。

また、今回より一般の方にもご試乗いただけたことで、地域の皆さまの声を直接お伺いしながら、安全性や利便性についてのリアルな評価を得ることができました。

子供達から「人が運転しているみたい!」という声も。

現地チームからは、「自動走行割合が約20%近く向上することができ、着実に技能向上というのは達成できている」との声も。

昨年度より難易度の高いシナリオでの安定性が向上しており、現場でも手応えを感じています。これまでの継続的な試行と地道な改善の積み重ねが着実に実を結び始めてきております。

日本全国で進むバス運転手の人手不足や、地方空港のアクセス改善。
こうした課題に、自動運転技術がどう貢献できるのか――
今回の取り組みは、その第一歩であり、同時に、法整備や安全面などこれから解決すべき課題も見えてまいりました。
今後も、地域に根差したテクノロジーの実装を目指しながら、皆さまとともに歩んでまいります。

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